暑さがじわりと体にまとわりつく季節になると、不思議とうなぎのことを思い出します。香川といえばうどん、という印象が強いのですが、ふとしたきっかけでうなぎを口にしたとき、その奥深さに驚かされました。何気ない一食のはずなのに、どこか特別な時間に変わっていく感覚があったのです。

香川で感じるうなぎの香ばしさとやさしい余韻
最初に印象に残ったのは、焼き上げたときの香りでした。ふわっと立ちのぼる香ばしさに、思わず深呼吸したくなります。関西風の焼き方なのか、外はぱりっと、中はやわらかく仕上がっていて、その食感のコントラストが心地よいのです。一口食べると、濃すぎない味わいがじんわりと広がり、食べ終わったあとにもやさしい余韻が残ります。主張しすぎないのに、しっかりと記憶に残る、そんな味でした。

うなぎを味わう時間が少し贅沢に感じる理由
うなぎというと、やはり特別な日のイメージがあります。毎日の食卓に並ぶものではないからこそ、いざ食べるとなると、少しだけ背筋が伸びるような気持ちになります。でも実際に食べてみると、その「特別感」は高級さというよりも、丁寧に味わう時間そのものにあるのではないかと思えてきました。一口ずつゆっくり噛みしめながら、季節や体調に思いを巡らせる。そんな時間が、自然と贅沢に感じられるのです。

香川のうなぎと季節を楽しむということ
香川の穏やかな気候の中でいただくうなぎは、どこか落ち着いた印象があります。派手さはないけれど、しっかりと季節に寄り添ってくるような存在です。暑さで少し疲れた体に、じんわりと力をくれるような感覚もあります。気合いを入れるためというより、「自分をいたわるため」に食べる一皿。そんなふうに考えるようになってから、うなぎとの向き合い方が少し変わりました。日常の中にある、ささやかなご褒美のような時間。それが、香川で感じたうなぎの魅力なのだと思います。ふとした瞬間にまた思い出したくなる味です。